FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)

FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット 市場予測

あらすじ

2024年9月18日、米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.5%の幅で利下げを決めた。市場予測では0.25%の利下げが織り込まれていたが、それを裏切る形での大幅利下げになった。

また、パウエル議長は今年中にさらに0.5%の利下げを行い、継続的な利下げを行っていくことを示唆した。

https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO5372040017092024000000-4.jpg?ixlib=js-3.8 FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)
日経新聞9/19より参照

通常、大幅利下げがあった際には景気後退に陥ることが多い。それは、FRBがアメリカの景気をうまくコントロールできていないことを暗に示してしまうからである。結果として、株や仮想通貨などのリスク資産は、景気後退に陥るリスクを嫌って売却されてしまうことが多い。

アメリカの1988年~2024年までの政策金利を見ても、1992年~1999年を除いて景気後退せずに利下げが成功した事例はない。(景気後退に陥らずに利下げすることを景気のソフトランディングという)

image FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)

アメリカのFRBで利下げが行われるのは、実に4年半ぶりになるので、今後のマーケット環境は大きく変化することが予測される。通常、利下げが行われる時には好景気が落ち着き始めたタイミングで行う。裏を返せば、景気後退が近づいたと思われるタイミングで行うのである。

今回の記事では、利下げ後の不安定なマーケットを紐解きながら、今後の株式や仮想通貨の価格を予測していきたいと思う。

大幅利下げの意図

大幅利下げを行った意図は、3つほど考えられる。

  • 労働市場の不安定さ
  • インフレ鈍化スピードが速まっている
  • 消費者の購買力が落ちている

労働市場の不安定さ

アメリカでは労働省が月に1度、失業率を発表している。(雇用統計)

最近の雇用統計を見ると実は依然として失業率は低いが、徐々に上昇し始めているのである。

歴史的にみると、失業率は上がり始めると歯止めがかからない。したがって、失業率が角度をもって上昇し始めた時には景気後退するリスクが大きいのではないかと言われている。

USUR_2024-09-19_13-54-37_bbfb9-1024x635 FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)

インフレ鈍化スピードが速まっている

月に一度発表されるCPI(消費者物価指数)を見ることで、物価の上昇率をみることができ、インフレの進み具合を把握することができる。

中央銀行のメインミッションは消費者の物価を金利の上げ下げを通して安定させることである

通常、中央銀行が設定する目標とするインフレ率は前年同月比+2.0%が好ましいと呼ばれている。日本においてもこの数字を目指して長く金融緩和を続けてきた。

USIRYY_2024-09-19_14-08-22_73f43-1-1024x641 FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)

ここ3か月を見ると、3.3%から2.5%まで0.8%下がっている。これが勢いをつけて2.0%を下回ることがあれば、FRBとしては金融政策が失敗して景気後退が起こるリスクが高まったと評価されて、株価の下落が起こる。その状態を避けるためにも、FRBは急いで利下げを行っていると考えられる。

FRBとしては2022年の反省もあるのだろう。金利の引き上げが遅すぎたことによりインフレに歯止めがかからなくなり、一時は前年同月比+9.0%を記録した。その苦い経験から、FRBとしてはパニックで利下げすることになる前に先手を打ちたいという意図を感じる。

消費者の購買力が落ちている

アメリカが深刻なインフレに見舞われたことは伝わったと思う。インフレが進むと何が起こるのか、それは個人の購買力が落ちるのである。

ここ最近のデータを見ると、実はアメリカの小売店の売り上げは落ちていない。7月~8月のアメリカの決算では、コストコやウォールマートなどのディスカウント系の販売店は決算が良かった。

一方で、住宅、自動車などの耐久消費財は大きくダメージを受けている。高価な買い物をする際には、一般的にローンを組まれることが多く、ローンの金利は政策金利をもとに決まる。政策金利は先日まで、5.25%~5.50%だったので、金利が高価で返済に不安を感じる消費者が多くなったため、ローンを組んで購入する人が減ったのである。

マーケットの動き

株式(S&P500)

S&P500 終値5618.25 (前日比-0.29%)で引けた。しかし、FRBの0.5%利下げの発表があってからのマーケットは特徴的な動きを示した。

SPX_2024-09-19_13-28-07_60ad4-1-1024x462 FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)

利下げ発表の直後はS&P500指数が1.0%ほど上昇したのちにジリジリ下がり、終値では前日比でマイナスに落ち着いた。マーケットは今回の利下げを好感するべきか、悲観するべきか揺れている

仮想通貨(BTC)

仮想通貨の価格は、ビットコインETFが米国市場に上場して以降、株式指数との連動が大きい

BTCUSDT_2024-09-19_14-56-51_9f3ee-1-1024x634 FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)

0.5%の利下げが発表された直後は、S&P500と同じように上昇に転じて、米国市場の取引時間が終わるころには急激に下がっているが、その後に再び急上昇している。

為替(ドル円)

政策金利が高い状態は、その通貨を持つ価値が高い状態になる。

例えば、米ドルでお金を持っていて他人へ貸すと5%の金利が得られるが、日本円だと0.5%の金利しか得られない場合にはどうするか。金融機関のように1兆円規模でお金を保有している場合には、日本円を売って米ドルを買い、米ドルで金利収入を得ようとマーケットは動く。

したがって、ここ最近ではドル高・円安が進んでいたのである。

ここで政策金利発表直後の動きを見てみよう。

USDJPY_2024-09-19_13-33-16_09de3-1-1024x472 FOMC 0.5%利下げ、今後のマーケット(2024年9月19日)

発表直後は2.0円ほどの大きな下落を見せた後に、元々の位置を飛び越えて上昇に転じている。

市場としては、今回の利下げは十分な水準で今年中に再び利下げが行われないと考えている可能性が高い

総括

マーケットは現状、0.5%の大幅利下げを歓迎している。これは、メインシナリオとしてソフトランディングを織り込んでいて、好景気はまだまだ続くと読んでいる。米ドルの価値も上がり、仮想通貨などのリスク資産の価値も上がっていることから、今回の大幅利下げは、景気後退が始まるパニック利下げではなく、景気を触発する良い利下げとして受け取られている可能性が高い。耐久消費財などの消費が今回の利下げを通して戻れば、マーケットはさらに上昇するポテンシャルを秘めている。

今後の投資戦略

最も大事なことは、雇用統計、CPI、小売売上高と次の10月の決算シーズンを注視することである。ここで悪い数字が出てくれば今までの内容も全てひっくり返る可能性が高い。

現状のマーケットを見る限り、リスクを取ることに関して臆病になる必要はない。特に着目するべきは小型株とアルトコインである。

中小企業は社債を変動金利で持っていることが多い。したがって、今回の利下げによって返済が楽になり、中小企業の業績が伸びる可能性を秘めている

一括投資をするのは危険だが、数日に分けて、今までの大型株への投資から小型株やアルトコインなどに徐々にシフトしていくことはソフトランディングシナリオを検討する上で非常に有効な戦略だと考えている。

タイトルとURLをコピーしました