S&Pケースシラー住宅価格指数(S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price Indices)は、アメリカ全土の一戸建て住宅の価格動向を測定する重要な経済指標です。
ウェルズリー・カレッジのカール・ケース教授と、ノーベル賞受賞者であるエール大学のロバート・シラー教授が中心となって開発されました。
この指数は「リピート・セールス」という再販価格に基づいて算出され、全米主要都市圏における住宅市場の動きを反映しています。
本記事では、この指標の意味と経済への影響について解説します。
ケース・シラー指数の歴史と仕組み
ケース教授とシラー教授が設立したケース・シラー・ワイス(CSW)社によって、この指数は実用化されました。
2002年にCSW社がファイサーブ社(現ファイサーブCSW社)に買収されてからは、同社が指数の算出を担当し、格付け会社大手S&P社が公表しています。
S&Pケースシラー指数は、毎月全米の主要都市圏における住宅価格の動向を測定しています。
特に「10大都市圏住宅価格指数」と「20大都市圏住宅価格指数」が公表されており、後者の方がよく利用されます。
20大都市圏には、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど、アメリカ国内で経済的に影響の大きい都市が含まれており、住宅価格の動向を広範にカバーしています。
主要都市圏と指数の構成
S&Pケースシラー指数は、次の10大都市圏と20大都市圏について公表されています。
- 10大都市圏: ボストン、シカゴ、デンバー、ラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントンD.C.
- 20大都市圏: 10大都市圏に加え、アトランタ、シャーロット、クリーブランド、ダラス、デトロイト、ミネアポリス、フェニックス、ポートランド、シアトル、タンパが対象です。
指数の算出方法と公表時期
S&Pケースシラー指数は、2000年1月を基準(100)として、各都市圏の住宅価格の再販価格を集計し算出されます。
リピート・セールスという手法を用いることで、同じ住宅が再度販売された際の価格変動を捉え、市場全体の価格動向を正確に反映しています。
この指数は毎月、米東部時間で最終火曜日の朝9時に米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズ社が発表します。
また、四半期ごとに全米を対象とした指数も公表され、全体的な住宅市場の動向を把握するのに役立ちます。
米ドルと市場への影響
住宅価格動向は、米国内での住宅市場の状態を反映するだけでなく、景気や経済全体に与える影響も大きいため、非常に注目される指標です。
住宅価格が上昇することは、個人の資産価値を高め、消費活動の増加や景気活性化につながる可能性があります。
特に予想より高い数値が発表された場合は、米ドルの買い材料とされ、逆に予想より低い数値は米ドルの売り材料として解釈されることが多いです。
まとめ
S&Pケースシラー住宅価格指数は、アメリカの住宅価格動向を示す重要な経済指標であり、特に20大都市圏の住宅価格指数がよく利用されています。
この指数は、住宅市場の動きを反映するだけでなく、個人消費や金融市場に影響を与えるため、米国経済を理解する上で欠かせない指標となっています。
2000年1月を基準として毎月発表されるこの指数は、アメリカの景気全体の動向を予測する上で非常に重要なデータです。


