本記事のまとめ
- 仮想通貨は、技術を用いて円やドルのような信用を作り出しているため、価値がある
- 銀行は、人々が潜在的に信用しているため、お金を預けることができる
- 仮想通貨は、ブロックチェーン技術を用いた信用できるデータベースの取引履歴の集まりである
仮想通貨はなぜ価値があるのか
仮想通貨は文字通りデジタル上にある仮想の通貨です。
しかし、原点に立ち返ると、なぜデジタル上の通貨に価値がつくのでしょうか?
例として、私が友人に「1,000円」と書いた紙を渡しても、それには1,000円の価値はつきません。しかし、国が発行した「1,000円」と書かれた紙は、1,000円分の商品と交換することができます。
みなさんがニュース等でご存じの通り、仮想通貨は日々価格が変動しており、ビットコインの価格は2024年に1ビットコインが1,000万円を超えました。仮想通貨に対して世界中の人が熱狂している理由はどこにあるのでしょうか?初心者でも理解できるようにお話しします。
なぜ仮想通貨に価値があるのかというと、仮想通貨の持つ技術基盤が、通貨として使用するために必要な機能を備えており、通貨としての信用を生み出しているからです。
以下に、仮想通貨が持つ機能と、その技術的な名称を示します。
- 価値の保存(ブロックチェーン)
- 物を売買する(暗号技術)
- 通貨の発行(マイニング、コンセンサスアルゴリズム)
突然難しい単語が並びますが、この記事では技術的な話は解説しません(別の記事で解説します)。まずは、仮想通貨の捉え方について説明します。
仮想通貨を理解するために銀行との類似点を考える
多くの方々は、銀行口座を利用して給料の受け取りや家賃、クレジットカードの支払いを行っていると思います。では、なぜ銀行口座を使っているのでしょうか?銀行の役割は元々、お金を貸し出し、その利息を受け取ることです。しかし、利息を目的として銀行口座を日常的に使っている人は少ないのではないでしょうか。
銀行を利用する理由は、大きく3つあると考えられます。
- 現金を手元に持つと奪われる危険性があり、リスクが高いから
- 預けたお金が勝手に減ったり、消えることがないと信じているから
- 送金や支払、口座振替、クレジットカード利用が便利だから
これらの理由をまとめると、銀行に対する「信用」があるためです。銀行というシステム、そして政府や法律に対して潜在的に信頼を寄せているからこそ、銀行に預けることが安全だと感じているのです。
銀行に預けたお金はどのように管理されているのでしょうか?銀行の預金通帳には以下の情報が記載されています。
- 口座番号
- 各取引の日付
- 入金額・出金額
- 口座残高
私たちがやり取りしたお金は、これらの取引履歴をもとに管理されています。入金、出金、送金の記録や口座残高が取引履歴として残り、それによってお金が管理されているのです。
改めて考えると、銀行にお金を預ける行為は少し怖くないでしょうか?ATMで預けたお金は、銀行のメインシステムに取引履歴として電子情報でしか記録されません。極端な話、銀行が1万円を預けた記録を誤って削除すれば、その証拠が消えてしまいます。それでも私たちは、銀行というシステムを潜在的に信用しているので、お金を預けることができます。
仮想通貨はコインではない
仮想通貨という言葉から、多くの人が「コイン」をイメージするかもしれません。しかし、実際の仮想通貨はコインでも紙幣でもありません。「通貨」という言葉に引きずられてしまいがちですが、仮想通貨の理解を進めるためには、このイメージを捨てる必要があります。では、仮想通貨とはどのようなものでしょうか?
仮想通貨とは、ブロックチェーンという安全性の高いデータベースに記録された取引履歴の集まりです。
具体例を使って説明しましょう。ビットコインのブロックチェーン上に、Aさん、Bさん、Cさんがビットコインの取引を行ったとします。もともとAさん、Bさん、Cさんはビットコインを持っていなかったとします。
- Aさんが通貨の発行(マイニング)によって1ビットコインを獲得しました。(システム → Aさん 1.0 BTC)
- Aさんがピザを買うためにBさんに0.5ビットコインを支払いました。(Aさん → Bさん 0.5 BTC)
- Bさんが家賃の支払いのためにCさんに0.25ビットコインを支払いました。(Bさん → Cさん 0.25 BTC)
この取引履歴は、ビットコインが取引されるたびに世界中のブロックチェーンに記録されます。さて、Aさん、Bさん、Cさんはそれぞれいくつのビットコインを持っているでしょうか?また、ビットコインの総量はどれくらいでしょうか?
答えは、Aさんが0.5BTC、Bさんが0.25BTC、Cさんが0.25BTCで、総量は1.0BTCです。このように、仮想通貨の取引履歴を追うことで、保有者や保有額を正確に把握できます。今回は3人で考えましたが、これは社会と同じように何人いても、取引履歴がいくつあっても成り立つのです。
まとめ
仮想通貨とは、ブロックチェーンという技術的に信用できるデータベースに記録された取引履歴を、仮想通貨のウォレット(銀行で言う口座番号)に紐づけたものです。取引履歴を追跡して口座残高が算出され、それが仮想通貨の「保有」状態を示しています。
銀行口座の例を出しましたが、本質的には同じです。銀行という社会的に信用できるデータベースに記録された取引履歴を口座番号に紐づけています。これが、私たちが「お金を持っている」状態です。
仮想通貨は、ブロックチェーンなどの技術基盤により取引履歴が安全に管理され、通貨として必要な機能を備えているため、信用が生まれ価値が付いています。


